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連草

福岡人向けグルメ情報+真面目なゲスネタ+α

残念至極「Blue Giant」

石塚真一さんの「Blue Giant」というマンガがある。

おっさん雑誌ビックコミックに連載中で、コミックは既刊8巻。

 

  

 

好きな人ならタイトルで分かると思うが、ジャズをテーマにしたマンガだ。

  • ジャズを象徴する色は、Blue
  • ジャズのビックネームは、StarでもHeroでもGeniousでもなく、Giant

 

以下、ネタバレ上等で書く。

 

舞台は現代日本。

主人公のテナーサックス 宮本チンコ大は、地方から東京に出てきたばかり。天才的ピアニスト 沢辺ユキノリと邂逅し、旧友の初心者 玉田をドラマーとして引き込んでトリオを組む。

全員十代の、青クサい成り上がりストーリーだ。

 

宮本チンコ大(ts)は、とにかく熱い。前向きでひたむきな愛すべきバカ。

沢辺(p)は、一見クールで軽薄。でも実は、内に青い炎を燃やしてる本格的タラシ。

玉田(dr)は、「はじめてのおつかい」的な感慨を誘う微笑ましいマスコット。

キャラが立っている。

 

最近、東京の超一流ジャズクラブ「So Blue」(もちろん「Blue Note」がモデル)への出演が決まって、快進撃前夜で滾りまくっている感じだった

そう。

過去形だ。

 

思えば、このごろフラグが立ちまくってた。

「So Blue」出演は、沢辺(p)の目標であり、野望への第一歩。一旦夢破れたかに見えたところで、運命が動き、一転して道が拓ける。それをもたらしたのは、沢辺(p)の覚醒。

宮本チンコ大(ts)は、沢辺(p)との関係が一時のセッションであることを示唆しつつも、彼の成長を愚直に信じ、見守る。

熱い。

かった

 

で、今週出たビックコミック13号を読んだら、

 

沢辺が、交通事故で右手をつぶしてた。

 

えー ! ?

 

あ、あり得ないよー

そんな展開いらんよう。

そんな糞エピソードを盛らなくても、山あり谷あり茨の道でお話作れたでしょ??

 

同じ青でも、SAMURAI Blueを描く「Be Blues」で主人公の龍ちゃんが大ケガさせられたのは、物語の核となるエピソードだから、ショッキングだけど必然性がある。今、丁寧に拾ってるしね。

同じピアニストでも、「ピアノの森」で音楽教師アジノが手をつぶしていたのは、主人公との結びつきを説得的にする要素だから、やはり必然性がある。最後、いい感じに拾ったしね。 

 

    

 

しかし、「Blue Giant」で沢辺の手をつぶす理由は見当たらない。

もちろん、それを糧に宮本チンコ大(ts)が真の覚醒を果たすとか、沢辺と別の形で絡むとか、いくらでも拾っていけるだろうし、物語の転機となる重要エピソードと位置づけるのかもしれんが、くだらないよ。

 

健全すぎた物語を転換させるため、沢辺を、こっぴどく捨てた女に刺させるとか、ライブ中にヤクザな旦那に襲わせるとかなら、まだ分かる。アングラな匂いもジャズの「らしさ」だから。

なんで、交通事故なん?

百歩譲って、スポーツカーを高速でかっ飛ばして自滅したんなら、まだ「らしい」。

なんで、バイトで突っ立ってるときの一方的な被害事故なん?

へぼい。へぼ過ぎるやろ。

 

宮本チンコ大(ts)が、成り上がっていく過程でさまざまな人からタスキを受け取る展開は、ベタだけど、青くて良かった。

咲かずに枯れた由井師匠のタスキを受け継いだのは、素晴らしいエピソードだった。

兄や、淡い恋の君や、同級生や、音楽教師や、楽器店・クラブのオーナーらから、細々したタスキを受け取っていくのも、心温まるエピソードだった。

でも、右手をつぶした沢辺からタスキって、あかんヤツや。

 

ボクの中で名作認定していたんだけど、沢辺を無残に無駄死にさせたことで、

一転、 クッソ マンガに確定しました。

これからどう盛り返しても、この評価は覆らないです。

たとえ沢辺が、奇跡的に回復しても、作曲等で成功しても、あるいはテクを凌駕したモンク級のGiantになったとしても。

 

期待が大きかった分、盛大に手のひら返しです・・・ orz