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連草

福岡人向けグルメ情報+真面目なゲスネタ+α

JAZZを俯瞰する。

Jazzの潮流

Blue Giant」を、ただ貶すだけじゃゲイがないので、折角この漫画でジャズに興味を持った人に、この漫画を読まずともJazzを楽しめるよう、情報提供しよう。

 

カフェで、バーで、CMで、Jazzが流れることは多い。

意識して聴いたことのない人にとって、Jazzのイメージって、「とっつきにくい器楽」だろうか、あるいは「静かでオサレな音楽」か、もしか「歌もの」か、「ビックバンド」か。

どれも合ってる。

実際、Jazzって言葉(ジャンル)は、幅広いスタイルを包含する。

 

Jazzの草創期は、WW1~WW2前あたり。

そして、WW2~1960年代の約30年間のスタイルがモダンジャズと呼ばれる。この間に、盛り上がったJazzは変化を続け、その進化が盛り上がりを維持・発展させた。

モダンジャズのうち、だいたい、40年代に流行ったスタイルが「ビバップ」、50年代のは「ハードバップ」、60年代は「モード」と呼ばれる。 それ以降は、特定のスタイルで区分することが難しい混沌の時代であり、モダンジャズの範疇には入れない。(かなり適当な分類です。そもそも分類自体、後付けだし。)

 

Blue Giant がイメージする音

Blue Giant」のコンピレーション・アルバムが2枚出ているようだ。

 

    

 

収録曲はすべてモダンジャズ。主人公たちの演奏がモダンジャズ的なものだということが示唆される。

ただ、モダンジャズのバンドは、ピアノ(p)、ベース(b)、ドラム(dr)をリズムセクションとし、フロントにホーン1~3本を置くのがスタンダードだ。

対して、主人公たちのバンドは、ピアノ(p)、ドラム(dr)、テナーサックス(ts)という変則トリオである。これは、彼らが懐古的にモダンジャズをなぞっているわけではないことを表してる。

 

さて、2枚のコンピレーション・アルバムの収録内容であるが、曲ではなく、名義(リーダー)を紹介しよう。楽器別で整理する。

 

1 まずサックス

 

2 次にピアノ

  • Thelonious Monk(p)
    ビバップ時代から活躍したが、彼の音楽は流行と関らず超然としていた。本当の意味でワン&オンリーなGiantだ。
    演奏は奇天烈で「何じゃこりゃ」とビックリするが、何度か聴くと脳に刻まれる。上記「'Round Midnight」をはじめ、名曲をいくつも書いている。
    この変人に肩を並べられるキャラは、Roland Kirk(ts/etc)くらいか。

  • Bud Powell(p)
    ビバップを創り出した1人。精神病と麻薬で破滅的な人生を送ったが、影響力は絶大で、そのスタイルはフォロワーを量産した。作曲では「Cleopatra's Dream」が有名。折角なので「'Round Midnight」を聞き比べよう。

  • Herbie Hancock(p)
    1940年生まれで、モード時代に頭角を現し、現在も活躍している。作曲家としても素晴らしく、美しい曲や、ファンキーな(ベタな)曲をたくさん書いてる。映像はたくさんあるが、まずは盟友Wayne Shorter(ts/ss)と共演した「Cantaloupe Island」あたりからどうぞ。

  • Sonny Clark(p)
    ハードバップの地味な人。アルバム「クール・ストラッティン」が、なぜか日本だけで大ヒットし、日本では超有名。多分、当時の日本の空気にジャストマッチだったんだろう。

  • Tommy Flanagan(p)
    どの時代というより、Ella Fitzgerald(vo)の伴奏者として名高い。コンピの収録曲はJohn Coltrane(ts)との共演作で、そっちがメインか。

    ちなみに、ジャズボーカル(黒人女性)では、塩辛いBillie Holiday横綱とすれば、エラ(Ella Fitzgerald)、サラ(Sarah Vaughan)、カーメン(Carmen McRae)が大関
    エラは「その辺のおばちゃん」っぽい大衆的な感じが良くて、サラは流麗なテクニック、カーメンは「らしさ」がいい。
    ボクはサラかな。「A Lover's concerto」は誰でも聞いたことあるはず。

    オサレなジャズが好みなら、Helen Merrillなんかの白人ボーカルを聴くヨロし。Clifford Brown(tp)をゲストに迎えた「You'd Be So Nice To Come Home To」は超有名。
    スタンダードな有名曲は、いろんな人が歌ってるから聞き比べるのもおもしろい。Sarah Vaughan版もどうぞ。

 

3 ドラム

  • Art Blakey(dr)
    ハードバップ~モードで一時代を築いたドラマー兼バンドリーダー。「A Night In Tunisia」で素晴らしいドラムソロが堪能できる。脇でマラカス振ってる若きBenny Golson(ts)がかわいい。

4 その他

  • Dizzy Gillespie(tp)
    Charlie Parker(as)の盟友としてビバップを創った1人。バンドリーダーとしても、多くの人材を輩出した。折角なのでCharlie Parker(as)と共演した映像を。頬がすごいね。

  • Clifford Brown(tp)
    ハードバップの代表的トランペッター。トランペット吹きのGiantといえばMiles Davis(tp)だけど(なぜかコンピには収録されてない)、いちプレイヤーとしては、明らかにClifford Brown(tp)の方が評価が高いと思う。自動車事故で夭逝したからか映像が少ない。やむなくコレ
    人格に優れたようで、友人Benny Golson(ts)が作曲した追悼曲「I Remember Clifford」はスタンダード曲になっている。

  • Lee Morgan(tp)
    Clifford Brown(tp)の次の世代の名トランペッター。Art Blakey(dr)のバンドの代表曲「Moanin」や、「I Remember Clifford」の名演で知られる。しかしこのLive映像はいいね。どっちも名曲中の名曲だけど、前者Bobby Timmons(p)と後者Benny Golson(ts)の自作自演だよ。
    ちなみに、Lee Morgan(tp)は後にステージで愛人に撃たれて死んだ。人間性は、Clifford Brown(tp)とずいぶん違ったんだろう。

  • Donald Byrd(tp)
    ハードバップからフュージョンと活躍した人。アルバム「フィエゴ」が日本でヒットした。

  • Paul Chambers(b)
    ハードバップ時代のMiles Davis(tp)を支えた名プレイヤー。コンピの収録曲はJohn Coltrane(ts)との共演作で、そっちがメイン。
    だいたいにおいてベーシストは地味。この人は凄腕だから、あちこちのセッションに引っ張りだこだったけど、やっぱ地味。
    ベースの音って、オーディオ設備が貧弱だと聞こえない。たとえばこの映像は、Miles Davis(tp)やJohn Coltrane(ts)の後ろで演ってて、最後の方でベースが前面に出てくるんだけど、PCのスピーカーで聞いても良さが分かんないかも。
    ベースって、Jazzの「らしさ」に大きく貢献してると思う。大きなスピーカーで、ベースがザクザク鳴ってるのを聞くと気持ちいいよ。

 

JazzのGiantたち

ジャズマンに序列をつけるのは、ファンの楽しみのひとつ。それだけになかなか定説はない。

ただ、上記した中で「Giant」と言えるのは、緩く見ても、

 Charlie Parker(as)、John Coltrane(ts/ss)、Sonny Rollins(ts)、
 Thelonious Monk(p)、Bud Powell(p)、Herbie Hancock(p)、
 Art Blakey(dr)、
 Clifford Brown(tp)、Dizzy Gillespie(tp)

一方、上記にないが「さすがに外せん」というのが、少なくとも、
 Miles Davis(tp)、Bill Evans(p)、
 Charles Mingus(b)

 

 

ついでに、Giantと言えるかはともかく、はじめて知ったときビックリしたトロンボーンの名手J.J.Johnson(tb)を紹介する。まさに超絶技巧。
オサレな白人プレイヤー Stan Getz(ts)との共演映像でどうぞ。

 

最後に、混沌の時代について象徴的な2人を紹介。
1人はOrnette Coleman(as/etc)。「フリージャズ」と呼ばれるカテゴリーを確立した。
もう1人はDavid Sanborn(as)。ボクにとっては「フュージョン」の典型。

 

補遺:現役の女性ボーカル

現役も紹介しておきましょう。キリがないので、ここでは女性ボーカルに絞って。

  • Cassandra Wilson(vo)
    低く、スモーキーな声で、ゆっくり歌う人。呪術でも行われているかのように錯覚する。「Time After Time」をMiles Davis(tp)と聞き比べよう。

  • Dianne Reeves(vo)
    正統派の実力者。ノってきたら、畳みかけるようにグイグイ来る。身を任せると気持ちいい。今年のライブ映像があった。

 

騙す人生

詐称のパターン

技能・効能の詐称は、世にあふれてる。ボクの分類じゃ、被害の軽い順に、

  1. 針小棒大
  2. 別人格
  3. スピリチュアル

 

政治家なんかに多いのは「針小棒大」タイプだ。たとえば、短期講座を受講しただけの学校を「卒業」したと詐称するような人。小ずるい小悪党って感じ。

 

そのひどいのが「別人格」タイプ。あたかも別人であるかのように、虚構の人物像を創り上げるレアもの。ちょっと前に話題になったショーンKショーン・マクアードル川上)こと川上伸一郎氏がこれ。軽く見る向きもあるけど、悪党だよ。

 

でも一番厄介なのは、「スピリチュアル」タイプだ。確認しようのない「特殊な技能」「特別の効能」を宣伝する人たち。

これ、タチが悪い。天然だからなお悪い。

 

別人格タイプの悪

件の川上伸一郎氏はすごい。報道を冷静に振り返ってほしいが、ここまで徹底した詐称は珍しい。それを社会的信用のある人たちに信じ込ませ、テレビに出るまで成り上がり、露見後も「擁護派」を生み出すなど、稀有な才である。

 

擁護派は「経歴で人を判断するのはおかしい」と言うが、おいおい落ち着けと言いたい。

自己投資・研鑽したコンサルタントと、素人が、たまたま同じ発言をすることはある。
門前の小僧が高僧のように振舞って、ありがたがられることもあるかもしれない。でもその小僧って、「徳が高い」んじゃなく、単に「ペテンが上手い」だけだ。

これ、「騙された方が悪い」のかい?

 

擁護派は「誰に迷惑かけた?」とも言う。想像力が貧困じゃないか。

  • 関係した人たちには、人生が変わるほどの影響を被った人がいるはずだ。
  • 詐称に基づいてセミナーをし、テレビに出てた。コンサル契約も取ってたかもしれない。金を払って「習わぬ経」を聞いた人が少なからずいるはずだ。
  • 公共の電波が使われ、伝播力のあるテレビで視聴者に情報が届けられたんだ。テレビ業もコンサルタント業も、信用を損なった。

なぜ詐称する必要があって、詐称でどんな効果を得られるのか。それって、コンサルタントの肩書で食おうとする本人が一番よく分かってる。
詐称をはじめたのは確信的で、詐称を続けたのは意識的であり、騙すつもりで騙してたんだ。

コンサルタントにとっての経歴(キャリア)は、品質表示に他ならない。
産地偽装と同じだ。ノンブランドの何倍もの代金を払った人に、「美味かったからいいでしょ」なんて言えないでしょ。ブランドを必死に守ってる産地の人たちのことも、想わないではいられないでしょ。

 

スピリチュアルタイプの闇

別人格タイプは騙そうと思って騙してるから、悪党だけど、理解の範疇だ。

これに対し、スピリチュアルな人は騙してるつもりがない。天然の災害だ。

 

あやしげな話に、人は簡単に騙されない。スピリチュアルを「演じる」には、かなりの演技力が必要だ。

あやしげな話に人が騙されるのは、たいてい、相手が天然のとき。本気で信じ、自信を持ってゆるがない相手に、騙される。

 

結婚詐欺は、男がするものとのイメージだったが、女もするし、女の方が始末が悪いようだ。木嶋佳苗上田美由紀筧千佐子と続いた連続不審死事件で、キンタマの縮まった男は少なくないだろう。

報道された彼女たちのキャラを見て、「なんで次々騙されたか?」と不思議に思ったかもしれない。
ボクは、彼女たちこそ、天然だったんだと思う。

 

二次元にこもる男子の典型的な妄想は「自分の中味を好きになるコとちょめちょめ」というものだ(女子も、「本当の自分を好きになる人とほげほげ」って話を好むね。それも同根だ)。

しかし現実には、自分のスペックを見られないことはないし、相手のスペックを見ないことはない。というより、大人になれば分かるが、そもそも「自分の中味」「本当の自分」って、スペックと切り離して存在するものではない。

もちろん普通の人は、スペックを入口にしつつも、スペックだけで相手に惚れることはないだろう。惚れた後に相手のスペックが変化しても、すぐに情を失うわけでもないだろう。

 

でも、普通じゃない人はいる。

天然の詐欺師は、騙すために惚れたフリをするんじゃなく、金持ちというスペックがあれば本当に好きになるし、金が尽きたら途端に冷めるんだ。

その延長線上に、殺すために惚れたフリをするんじゃなく、ナチュラルに、惚れたあと殺す気になるヤツがいるんだろう。「追いかける恋をしたい」「釣った魚にエサやらない」の、ひどいバージョンだ。

 

天然は本気で惚れる。本気だから、次々陥落するんだ。

 

災害をふりまかない

大被害を与える大物こそ滅多にいないが、スピリチュアルな人自体は、掃いて捨てるほどいる。

デマ拡散や、小口詐欺っぽいことを、無自覚・日常的に繰り返してる。その多くは、人柄の良い「親切なおっちゃん・おばちゃん」タイプであるのが逆に厄介だ。

 

スピリチュアルな人には、つける薬はない。人里に降りずに、霊域で独り魂を磨く人生を送ってほしいと願うばかりだ。

スピリチュアルじゃない人は、拡散に手を貸さないよう、気をつける必要がある。特にSNS界隈では、知らずに拡散源になることがあるので要注意だ。

実際、FacebookTwitterには、胡散臭い健康食品、マルチ商法霊感商法、宗教・自己啓発似非科学・似非エコ、ヘイトなどの書き込みが溢れている。

彼らの汚染力を侮ってはいけない。ゆめゆめ近寄らないことだ。

 

女の妄想と、男の劣情

恋に恋する女子の、未熟を愛でる

眉月じゅんさんの「恋は雨上がりのように」、最新5巻が出た。

 

    

 

傷心の女子高生が、四十半ばの寂びたオヤジに懸想するマンガだ。

そう聞いて、オッサンの妄想が詰まったお話だと思うと見誤る。

このマンガには、未熟な女子の妄想が詰め込まれている。

 

主人公の橘あきらは、たまたま入ったファミレスで、雇われ店長の接客に癒される。

ツボにはまった彼女は、その店でアルバイトをはじめ、次第に店長への思慕(勘違い)を募らせていく。

 

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あきらは、恋愛の空気が醸されないじれったさに思い悩む。ついに勇気を出してアプローチをはじめ、積極的な行動をスタートし、そして・・・

 

ムッハー !

 

教師と生徒ならありふれた展開だけど、アルバイト先という薄い関係性を下敷きにすると「ありえない」感が際だつ。

その非日常さが、あきらの妄想の濃厚さを連想させる。

 

世のオッサンは、さすがにこの店長に感情移入するほどウブじゃない。

でも、恋に恋する女子のどきどきムラムラは、眺めていて実に愉しい。

 

男は悟らず枯れるもの

およそ「美女と野獣」系の物語は、女子が純愛を愉しむためのものだ。

対象がおぞましいほど、ピュア度が増す。

たとえば「俺物語!!」もそうだよね!

 

  

 

件の店長は、純文学にはまって人生をスポイルさせ、しかし無頼にもなれず、燻っている。大人から見れば、アカン属性だ。

そのアバタが、世間知らずな女子高生には目に入らない。むしろ美化されもする。

ふつくしい

 

作者の眉月じゅんさんは顔出ししてないようだが、このまま顔出ししないで欲しい。

究極を言えば、このマンガの楽しさは、妄想をめぐらす作者を愛でることにある。

 

眉月じゅんさん(33)は、この状況でも、店長に操を守らせる。

 

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「この感情を『恋』と呼ぶのは軽薄だ」っつって。

 

ひゃっほーい !!

 

いい。

 

女子高生に切なげに迫られた元文学青年なら、そうでなくちゃねー

そんな青っちょろい男にこそ、女子はピュアに恋するんだねー

尻がむずむずする。

 

リアルな世界では、いくつになっても男の恋愛対象は基本10代~30代じゃないかと思う。

60でも80でも、男は、悟ることなく、ただ枯れる。年甲斐もなく高望みするのではなく、年波とともに望まなくなるんだろう。 

逆に言うと、男はいくつになっても、10代の子に迫られたら、当然自然に恋愛対象として見るはずだ。大人にとって、恋愛対象とは、劣情を催す相手ってことだ。

大人は、ロマンチックじゃない理由で理性を働かせる。としても、下半身の反応は野性的だろう。

 

ひるがえって、件の店長の言動は、あまりにピュア過ぎる。

まったくリアリティ(勃起)を感じない。

 

だが、それがいい

 

恋に恋する女子の、尻を愛でる

ストーリーにも増して魅力的なのは、あきらの造形だ。

元陸上選手という設定で、しなやかにしまった肢体を持つスレンダー美少女として描かれている。

 

わけても、尻がすこぶる素晴らしい。

 

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この、右尻と太股の境界をあらわす「~」に、青春の息吹を感じる。

 

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もういっちょ。

 

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 これ、見えてるよね?

 

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うん。断じてこれはプリーツじゃない!

 

 

余暇をムダにするマンガ

客を騙す店

不味い料理を食った後、「金返せ!!」と叫びたいことがある。

店にとっては、仕入れに金を使い、仕込みに時間を使い、商売のために利益を載せた適正価格だろう。

でも、どれだけ真面目に作っていても、不味けりゃ、サービスと対価は釣り合わない。

 

客は、サービスを受けてはじめて「騙された」ことに気付く。でも、もう手遅れだ。

そんなとき、客としてはせめて「二度と行かない」し、「被害が続かないよう人に話す」。

店側の論理で「批判的なクチコミ」を非難するコメントを見ることもあるが、(すべてとは言わんが)お門違いだ。

 

読者を騙す作者

マンガなどでも、似たようなことが起こる。

ずっとフォローしてきたマンガが、長期休載して完結しそうになくなったり、クソ展開で駄作に成り下がったりしたら、「時間を返せ!!」と叫びたくなる。

 

たとえば、名作「BECK」を完結させたので信じたハロルド作石さん。次の「7人のシェークスピア」の連載は、途中で投げた(一応休載のテイ)。

並行してスタートした「RiN」は、先日、一応完結させたテイで終わった。けれど、内容を見ると、明らかに途中で放り投げている。

もう ハロルド投げ と呼ぶしかない。

 

    

 

 

たびたび長期休載する割に、再開しても話が進みそうにない「ベルセルク」。

もはや「超」長期休載が定番で、束の間再開してもすぐ休載する「HUNTER×HUNTER」。

ともに6月に新刊が出たようだが、とても完結できそうにない。

 

    

 

なぜ、これらを商業誌に掲載しているのだろうか。

載ったら売れても、結局読者を騙すことになるものは、載せないのが商売倫理ではないのか?

 

ヒストリエ」や「3月のライオン」のように、しょっちゅう休んでも、話を進める姿勢が見える人のは、応援しながら待つ。

荒川弘さんのように、事情が解消したらガンガン描いてくれそうな作者さんは、信じて気長に待つ。

 

      

 

でもねえ。

話や絵に完璧を求めつつ、読者への責任を放擲している人に付き合うことはできない。

スープが出てから、ずっと次が出ず、いつ出るかも分からず待たされるようなものだ。ずいぶん経って美味いメインが出てきても、満足も感謝もできん。
もちろん「スープが美味しかったからいい」なんてことにならない。

売れるから、倫理に反する商売がまかりとおる。読者としては、買わない、読まないのが対策だ。

 

補遺:奇を衒うクッソマンガ

昨日も書いた「Blue Giant」。まだ、気が治まらない。

作者は、作中人物に対して生殺与奪の力を持っている。重要キャラでも、おもしろくおかしく死なすんなら文句はない。

でも、脈絡なくバナナの皮で滑って死ぬなんてなったら、「裏切られた」と思う。

 

「事実は小説より奇なり」と言うが、現実に起こる事故は、1億2000万分の1の「偶然」で発生する、無作為の出来事だから、ドラマチックなんだ。

フィクションの世界の事故は、作者が「狙って」発生させる、作為的なエピソードだ。

そりゃ、事故を起こせばドラマは動くよ。でも読者は、「なぜこの事故?」って戸惑うばかりだ。

あざといエロは楽しいが、あざといグロはエンターテイメントじゃない。もう「Blue Giant」は読まないし、人にも勧めない。

 

ボクたちは、日々仕事をして、私事をこなして、ようやく余暇を作る。

余暇は、ムダな時間でも、時間をムダにすることでもない。大切な時間を、余暇に使うんだ。

その時、映画を見るか、本を読むか、マンガか。選ぶことは、他を選ばないことだ。

 

ボクの大切な時間を、返してほしい。

 

残念至極「Blue Giant」

石塚真一さんの「Blue Giant」というマンガがある。

おっさん雑誌ビックコミックに連載中で、コミックは既刊8巻。

 

  

 

好きな人ならタイトルで分かると思うが、ジャズをテーマにしたマンガだ。

  • ジャズを象徴する色は、Blue
  • ジャズのビックネームは、StarでもHeroでもGeniousでもなく、Giant

 

以下、ネタバレ上等で書く。

 

舞台は現代日本。

主人公のテナーサックス 宮本チンコ大は、地方から東京に出てきたばかり。天才的ピアニスト 沢辺ユキノリと邂逅し、旧友の初心者 玉田をドラマーとして引き込んでトリオを組む。

全員十代の、青クサい成り上がりストーリーだ。

 

宮本チンコ大(ts)は、とにかく熱い。前向きでひたむきな愛すべきバカ。

沢辺(p)は、一見クールで軽薄。でも実は、内に青い炎を燃やしてる本格的タラシ。

玉田(dr)は、「はじめてのおつかい」的な感慨を誘う微笑ましいマスコット。

キャラが立っている。

 

最近、東京の超一流ジャズクラブ「So Blue」(もちろん「Blue Note」がモデル)への出演が決まって、快進撃前夜で滾りまくっている感じだった

そう。

過去形だ。

 

思えば、このごろフラグが立ちまくってた。

「So Blue」出演は、沢辺(p)の目標であり、野望への第一歩。一旦夢破れたかに見えたところで、運命が動き、一転して道が拓ける。それをもたらしたのは、沢辺(p)の覚醒。

宮本チンコ大(ts)は、沢辺(p)との関係が一時のセッションであることを示唆しつつも、彼の成長を愚直に信じ、見守る。

熱い。

かった

 

で、今週出たビックコミック13号を読んだら、

 

沢辺が、交通事故で右手をつぶしてた。

 

えー ! ?

 

あ、あり得ないよー

そんな展開いらんよう。

そんな糞エピソードを盛らなくても、山あり谷あり茨の道でお話作れたでしょ??

 

同じ青でも、SAMURAI Blueを描く「Be Blues」で主人公の龍ちゃんが大ケガさせられたのは、物語の核となるエピソードだから、ショッキングだけど必然性がある。今、丁寧に拾ってるしね。

同じピアニストでも、「ピアノの森」で音楽教師アジノが手をつぶしていたのは、主人公との結びつきを説得的にする要素だから、やはり必然性がある。最後、いい感じに拾ったしね。 

 

    

 

しかし、「Blue Giant」で沢辺の手をつぶす理由は見当たらない。

もちろん、それを糧に宮本チンコ大(ts)が真の覚醒を果たすとか、沢辺と別の形で絡むとか、いくらでも拾っていけるだろうし、物語の転機となる重要エピソードと位置づけるのかもしれんが、くだらないよ。

 

健全すぎた物語を転換させるため、沢辺を、こっぴどく捨てた女に刺させるとか、ライブ中にヤクザな旦那に襲わせるとかなら、まだ分かる。アングラな匂いもジャズの「らしさ」だから。

なんで、交通事故なん?

百歩譲って、スポーツカーを高速でかっ飛ばして自滅したんなら、まだ「らしい」。

なんで、バイトで突っ立ってるときの一方的な被害事故なん?

へぼい。へぼ過ぎるやろ。

 

宮本チンコ大(ts)が、成り上がっていく過程でさまざまな人からタスキを受け取る展開は、ベタだけど、青くて良かった。

咲かずに枯れた由井師匠のタスキを受け継いだのは、素晴らしいエピソードだった。

兄や、淡い恋の君や、同級生や、音楽教師や、楽器店・クラブのオーナーらから、細々したタスキを受け取っていくのも、心温まるエピソードだった。

でも、右手をつぶした沢辺からタスキって、あかんヤツや。

 

ボクの中で名作認定していたんだけど、沢辺を無残に無駄死にさせたことで、

一転、 クッソ マンガに確定しました。

これからどう盛り返しても、この評価は覆らないです。

たとえ沢辺が、奇跡的に回復しても、作曲等で成功しても、あるいはテクを凌駕したモンク級のGiantになったとしても。

 

期待が大きかった分、盛大に手のひら返しです・・・ orz